こんにちは、kikiです🐈
築30年の戸建てを購入して、リフォームとDIYで理想のお家を作っています。
今日は、築30年のお父さんハウスを購入するために、ホームインスペクション(住宅診断)を依頼した時のことをまとめたいと思います。
最近は日本でも中古住宅の価値が見直されつつありますが、まだまだ新築を購入する人の方が圧倒的多数です。
私たちの体験が、これから中古住宅を購入する人たちのお役に立てればうれしいです。
ホームインスペクションとは?
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したオームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき個所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う業務を指します。
NPO法人日本ホームスペクターズ協会
私たちが購入したお父さんハウスは築30年…
いくらしっかりした造りに見えても、中はどうなっているのかわかりません。
いざリフォームを開始したら、実はあちこち傷んでいて、改修費用がかさみ、思っていたようなリフォームができない…なんて事になってはいけないので、気に入ったからと言って、すぐに買います!とはなりませんでした。
とくに夫は築30年の戸建てのハード面をとても気にしており、かなり悩んでいました。
そして、いろいろと調べた結果、ホームインスペクションにたどり着き、実際にホームインスペクターの方に診断をお願いして、どれだけ住宅が劣化しているのか?どれだけ補修費用が掛かるのか?を調べてもらい、その結果を見て購入可能なのかを判断する事にしました。
ホームインスペクションを行うベストタイミングとは?
物件内覧→購入申し込み→契約→き渡し→入居
この流れの中で、ホームインスペクションをするのに良いタイミングは、購入申し込みから契約前の間です。
なぜなら、ホームインスペクションの結果を見てから、その後の修繕計画や資金計画を決めることができるためです。
もし住宅に重大な問題があった際は、無条件で購入を見送ることもできます。
また、申し込みが済んでいるため、原則として他の人に購入されるリスクを回避できるそうです。
私たちは、このポイントをよく把握していなかったために、後々冷や汗をかくことになりました。
私たちがホームインスペクションを申し込んだタイミング
三回内覧した後に、夫婦で話し合い、ホームインスペクションしてから購入手続きをしようと決めました。
このせいで後々肝を冷やすことになるのですが、この時、売主さんに購入希望の意思を伝えていましたが、購入申し込みはしていませんでした。
購入申し込みをしてしまったら、後戻りできなくなる(購入しないと違約金が発生する)と思い込んでいたんですよね…
もっと体験談とか探して読めばよかったです。
検査結果が出る前に、他の人がお父さんハウスを購入してしまったらどうしようとドキドキしていました(ちゃんと知っていればやきもきしなくて済んだはず…)
住宅購入がはじめての私たちは、ホームインスペクションに最適なタイミングまで考える余裕はなく、とにかく最短でホームインスペクションをしようと焦っていました。
そして、この時並行して、住宅ローン減税について調べていたので、そちらの方に気を取られていましたね…
中古住宅で住宅ローン減税の制度を適用しようとすると、新築とは違って色々と手順が違ったり、必要な書類があったりと結構複雑なので、ネットやYouTubeで調べまくっていました(その話は別でまとめます。)
診断の可否を売り主さんに確認する
診断するに当たっては、まず売主さんに診断をしても良いかの確認が必要です。
売主さんとしては、欠陥が見つかった場合は、値下げ交渉に繋がったり、物件価値が低下するなど、その後の売却時に悪い影響が出る事があるため、あまり良い顔をしない人もいるし、中には断られる場合もあるそうです。
このお父さんハウスは、この時点で売りに出されてから2か月ほど経っており、駅に近い好立地もあって、結構内覧された方もいたと聞きました(営業トークかもしれないけど)
が、やはり築30年の物件……『壊して新築を建てたいので取り壊し費用を負担してほしい』という方ばかりで、それに対して売主さんは首を縦に振らなかったんだそうです。
なので、私たちは、『この物件を気に入ったので、取り壊さずにきれいにして住み続けたい。そのためにホームインスペクションをしたいと思っている』という旨をしっかり伝えてもらいました。
断られた場合は、お父さんハウスの購入は諦めるつもりでした。
結果、売主さんから診断して良いというお返事を頂くことができましたが、担当の不動産屋さん曰く、売り主さんは『そこまでするの?』と不安そうな様子だったそうです。
ホームインスペクションを依頼する際の業者選びで重視したポイント
めでたく売主さんから診断許可が出たので、次は業者選びに取り掛かりました。
私達はを以下の5つの点を重視して業者選びをしました。
- 一級建築士が検査してくれること
- 購入物件に関係のない第三者であること
- 購入物件の近くの業者であること
- 適正な値段設定であること(他社と比較して安くも高くもない)
- 明日にでも検査してくれる
信頼できる業者選びをするために、私個人としては、②は外せないポイントかなと思います。
不動産屋さんやホームメーカーの中には、『うちでも紹介できますよ』などと言って、会社の息のかかった業者を紹介しようとする場合もあるみたいですが、それでは信頼性に欠けますよね。
診断項目
当日は、ホームインスペクターの方と現地で集合し、簡単な説明を受けた後、すぐに検査に取り掛かってもらいました。
大きく分けて以下の三つの項目を検査していきます。
時間は4時間ほどかかりました。
- 外回りの状態
- 室内の状態
- 床下、小屋裏の状態(オプションで追加)
①外回りの状態
- 基礎【コンクリートのひび割れ、欠損、劣化などの状況】
- 外壁【ひび割れ、欠損、シーリングの破断・欠損などの確認】
- 軒裏【破損、ずれ、ひび割れなどの確認】
- バルコニー【防水層のひび割れ、劣化などの確認】
②室内の状態
- 床【ひび割れ、劣化、沈み、傾斜などの確認】
- 壁【雨漏り跡、ひび割れや劣化、傾斜などの確認】
- 天井【雨漏り跡、ひび割れや劣化、傾斜などの確認】
- 建具【動作の確認】
- 小屋裏【建造材の劣化、欠損、雨漏り跡などの確認】
- 床下【コンクリートのひび割れ、欠損や木材の蟻害、腐朽などの確認】
③床下、小屋裏の状態(オプション)
- 小屋裏詳細調査
- 床下詳細調査
※どちらの追加検査も、侵入検査は安全に移動できる範囲が対象で、開口スペースの有無や開口部の位置によっては侵入検査ができない場合があります。
診断結果
診断結果は当日口頭で説明してもらい、細かな書類は後日郵送で届きました。
後日届いた書類はこんな感じです↓


あくまでも第三者目線で、現在の物件の状況が文と写真で簡潔に記されていて、分かりやすいです。
お父さんハウスの調査時の状態は、ざっくりこんな感じでした。
- 基礎のひび割れ
- 外壁のひび割れ
- 外壁のチョーキング現象(塗装が劣化して外壁を手で触ったとき粉がつく事)
- 外階段のタイルのひび割れ
- 外階段の塗装のはがれ
- 室内の壁のひび割れ
- 二階和室部分の雨漏り跡あり
- 小屋裏の棟の周辺で雨漏り跡あり
- 小屋裏の柱にひび割れ、傷んでいる部分あり
- 小屋裏の断熱材が敷き詰められていない箇所あり
①基礎のひび割れ
基礎のコンクリート部分に数か所ひび割れがありましたが、中の鉄骨が錆びていることはなく、表面を補修するだけで大丈夫だと言われました。
針金のような細いものを使って隙間を検査していました。
②外壁のひび割れ
外壁にも数か所ひびわれがありましたが、こちらも表面の補修のみで大丈夫だと言われました。
③外壁のチョーキング現象
チョーキング現象とは、紫外線や雨などの影響を受けて、外壁が劣化し、手で触ったときに粉がつく事を言います。
大体外壁の塗装の耐用年数は10年~20年と言われており、チョーキング現象はメンテナンスの目安になるそうです。
前に塗装し直したのが10年前だったのと、現在の劣化状況から見て、チョーキング現象は見られるけど、あと5年から7年くらいは持つと思うといわれました。
④外階段のタイルのひび割れ
交換すれば問題ないと言われました。
⑤外階段の塗装のはがれ
塗装がはがれて鉄骨が見えていたので、塗装しなおした方がいいと言われました。
この部分に関しては自分で塗り直すことにしました。
⑥室内の壁のひび割れ
室内の壁には無数にひび割れがありましたが、部屋の平行度は新築とほぼ変わりなく、その点を踏まえて考えると重篤なものではないと言われました。
⑦二階和室部分の雨漏り跡あり
二階の和室の天井に雨漏り跡がありました。
目視ですぐに分かるので、検査前から私たちも気が付いていました。
これは小屋裏の状態も合わせて見てもらって、周辺の柱に問題はないし、今は修繕されていて影響はないと言われました。
⑧小屋裏の棟の周辺で雨漏り跡あり
これも古いもので、最近の雨漏り跡ではなく、柱に影響はないとの事でした。
⑨小屋裏の柱にひび割れ、傷んでいる箇所あり
この部分に関しては、補修が必要だと言われました。
耐震診断の結果を含めてどのように補修するか考えようということになりました。
⑩小屋裏の断熱材が敷き詰められていない
隙間があるところに断熱材を敷き詰めればいいと言われました。
ホームインスペクションのメリット
今回ホームインスペクションして感じたメリットを④つにまとめました。
- 欠陥住宅を購入せずに済む
- 事前に補修箇所とざっくりした補修費用が分かる
- 発行してもらった証明書をもとに、物件価格の交渉ができる
- 屋根裏や床下など自分で確認できない場所も確認してもらえる(今回は見られませんでしたが)
中古住宅を購入する予定があるなら、その前に是非ホームインスペクションを受けることをお勧めします。
第三者の専門家によって診断してもらうことで、その物件の現在の状態を総合的に判断することができるので、欠陥住宅を高値で購入せずに済みますし、資金計画を立てるときにも役立つので、後から『こんなはずじゃなかった!』という事態を避けることができます。
私たちの場合は、 診断結果をもとに売主さんに値引き交渉して 、物件価格を下げてもらうこともできました。
また、基礎や屋根の部分を確認してもらえることも大きな安心につながります。
ホームインスペクションするときのリスクと注意点
ホームインスペクションをする場合、高額な診断費用が必要になります。
納得して診断をしてもらうために、診断前に知っておいた方がいいリスクや注意点をまとめました👇
- 購入申し込み前に診断すると、診断途中で他の希望者が物件を購入してしまう可能性がある
- ①の場合はホームインスペクションした際に払う診断料が無駄になる
- 構造によっては床下や小屋裏のチェックが出来ない
- あくまでも物件の現状を知るための検査なので、購入するかどうかは自分で判断する必要がある
あとから調べると、ホームインスペクションを行うタイミングについてはネットでもきちんと紹介されていました…。
私たちは購入申し込みをしたら後戻りできないと思い込んでいたので、『ホームインスペクションしたのに他の人に買われたらどうしよう』とやきもきすることになってしまいました。
このタイミングは絶対に抑えておいた方がいいポイントだと思います。
また、点検口の大きさや有無などによって、床下や小屋裏の確認ができない場合もあります。
私たちの場合は床下の確認ができなかったので、診断料から1万円値引きしてもらいました。
床下に関しては、購入後に検査してもらうことにしました。
ホームインスペクションはあくまでも第三者目線の検査なので、物件の現状のみを伝えてくれます。
ホームインスペクターさんが、『この物件は買って大丈夫です』などと言うことはないので、購入するかどうかはその時の物件の状況を見て各自で判断することになります。
ホームインスペクションをして、お父さんハウスの購入を決めた私たちですが、その後は住宅ローン減税制度を適用させるために、耐震診断を受けることになりました。
中古住宅購入時に住宅ローン減税の恩恵を受けようとすると、色々手続きが面倒くさくて苦戦しました。
中古住宅購入時に住宅ローン減税制度を適用させるために私たちが調べた事をまとめました。
少しでもお役に立てればうれしいです。

ここまで読んでくださってありがとうございました。